電気化学的ミセル集積法による導電性メソ多孔体の創製


山内 悠輔 (ヤマウチ ユウスケ) さん

名古屋大学大学院 工学研究科

研究の背景

ナノ空間を有する多孔質材料は、環境・エネルギー・医療など幅広い分野での応用が期待されていますが、従来のナノ多孔体は主にシリカ系や金属酸化物に限定され、導電性や安定性に課題がありました。

研究の成果・ポイント

高分子ミセルを鋳型とし、精密な界面制御を通じて、電気化学的に導電性を持つメソ多孔体を合成する手法が確立しました。得られたメソ多孔体は高い比表面積と結晶性を有し、細孔サイズ、形態を用途によってテーラーメイドに設計できます。骨格組成も自由自在に制御可能であり、複数の金属からなるハイエントロピー合金への応用も可能です。また、骨格表面に単原子触媒を配置する革新的な触媒設計により、極限までコストを抑えつつ高性能を実現しています。

今後の展望

このような新しい合成法により実現できた「導電性メソ多孔体」は、第2世代メソ多孔体という新たな潮流を切り拓きました。また、現在は、次元や組成の異なる多孔体物質の集積化による新機能の創発を目指しています。今後は触媒、センシング、エネルギーデバイスなど、機能融合による応用展開が期待され、世界のナノ多孔体研究をリードする存在として一層の活躍が見込まれます。

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