超分子特有の架橋構築による革新的材料設計学の創成

高島 義徳 さん

大阪大学高等共創研究院・大学院理学研究科

研究の背景

 近年、高分子の様々な課題に対し注目が集まっており、大量消費ではなく、材料に持っている価値観の変革が求められています。社会が要求している核心的機能を整理し、超分子科学・高分子物理学・機能性分子化学・材料化学・界面科学・材料力学・表面分析など幅広い学問領域を融合することにより、新たな境地を開き、精緻に材料を設計する学理として、「超分子材料設計学」が必要と考えております。その一つとして、高分子材料の機能化において、架橋設計に注目し、新たな可逆性・可動性架橋材料を開発し、機能創製に繋げて参りました(図1)。

研究の成果・ポイント

分子設計指針は“カップと玉”や“輪と紐”といった基本概念に基づいており、化学架橋型高分子材料と非共有結合型分子認識材料を融合させることで波及効果の高い材料設計指針を示しました。特に基幹となる材料設計指針として、①分子認識に基づいた可逆的な結合、②輪分子と軸分子を組み合わせた可動式架橋、さらに③[c2]Daisy chainと呼ばれる可動性の架橋にて、高分子材料の機能化を実現しました。その機能の一例として、自己修復性、選択的接着、易解体、自己修復性接着、応力緩和、高強度・高靭性、刺激応答、力学特性制御などの機能を計画的に作製しました(図2)。

今後の展望

 分子が織り成す材料の限界を見極める・限界を超えることで、社会を豊かにする学問を究極の目的としています。現在、不可能に思えず材料機能も今一度、分子・材料を見つめなおし、理解することで、画期的な刺激応答機能や力学特性を実現できると考えられます。分子・材料技術の斬新性だけでなく、社会に嬉しさを与え、実用化に踏み切るだけの「Only One」の研究力の強化を目指します。



図1.材料作製における基本設計


図2.材料設計に応じて達成した機能